2018/03/11
孫子の子孫である孫臏が斉に進入する匈奴と戦う物語
臏(孫子異伝)のストーリー
孫子の子孫で、顔に墨を入れられる鯨とういう刑罰、膝の骨を抜かれる瓶という刑罰を受けた異形の軍師・孫臏が主人公で、古代中国の斉を舞台に侵入してくる匈奴の侵攻を防ぐ物語、しかも、中国では王朝末期の状態をあらわすことわざに内憂外患が有名ですが、この斉の国内も同じような状況である。
斉の王は暗愚な王の代表格で、宮廷工作で欺かれ破慮将軍である「阻大」を総大将に任じる。そして、初戦で阻大は敵の挑発にのり一騎打ちを行い斉の軍隊を全滅させてしまう。おまけに、王都だけを守ろうとして残った兵士を出兵させようとせず、臨時徴兵の兵士だけで「孫臏」と将軍「田忌」に匈奴防衛を命じる。おまけに、魏国が援軍を送ってくると申し出をしてくるが、実はこの魏国自体が今回の匈奴侵攻の黒幕であり、援軍ではなく斉を滅ぼすために軍隊を送り込もうとしている状況で、斉国は絶対絶命の状況である。
そんな中で、孫子の末裔である孫臏が計略・軍略を用いて匈奴の侵攻を食い止めるのが本作品のストーリである。
臏(孫子異伝)の評価(5段階)
画力・・・・・★★★★ かなり絵はきれい
ストーリ・・・★★★★ 計略を扱っているが戦闘シーンも見もの
設定・・・・・★★★ 分かりやすいが
キャラ・・・・★★★ 女性キャラが多すぎ・・・味方が無能すぎ
その他・・・・★★★★ 相手側の大将が異常だけど有能
総合・・・・・★★★★ 話は架空の時代設定
臏(孫子異伝)の感想
ビンの主人公ですが田忌も生来の遊び人気質と評しておりますが、匈奴防衛のための偵察に行っている時に女の子を何人も連れてきます。(押しかけもあり)
古代中国では未亡人は自殺することが伝統としてあり、戦乱の世の中では兵役で夫を亡くす人間も多く、生きるためには妾等にならないといけないという伝統があるため、何人も寄ってきます。ちなみに女性の絡む争いに関しては策略成功率は非常に低く、追いつめられる事が多いのが笑えます。確認情報ですが宮刑は受けてない模様・・・・意味は自分で調べて・・・
そして、敵方の王である撐犁孤塗単于ですが、残虐ではありますが無能では無く、柔軟に策を駆使する頭脳と、役に立つ部下を見分ける目に、個人でも他に比肩する者の無いほどの武力を兼ね備えており。特に部下を見る目は人種・身分に関係なく部下を選んでいる。ある意味、有能な敵役であり、父親に妹が殺され片方の顔の皮を剥がされた事があり激怒して父を殺害した後、性格が変わり覇道を目指すことになる危険な人物。
ただ、他の戦争等を扱う作品と比べると、有能な味方が殆どいない事が悲しい。数人は有能な味方がいても良い気がするのですが。孫臏が作った私兵集団である「孤鳳卒」で少し有能な兵士がいるのですが、工作活動や小規模戦では強いですが相手方の軍勢に比べると人数がすくなすぎだし、およそ個性を持って独自に行動するという事が苦手に見えます。優秀な部下でありますが、将ではありません。その点が、戦いをいかにも小規模な戦に見せているのではないでしょうか。