新しいガンダム世紀の第1作　かなり現実的な考え方が入った作品

ガンダムSEEDのストーリー

ガンダムSEEDの世界では、優良種たるジオン国民と連邦軍の戦いでは無く、宇宙のプラントを本拠地として、本当に遺伝子改造して優良種になってしまった「コーディネータ」が結成した政治結社であるザフトと、地球を本拠地とした遺伝子改造を受けていない普通の人類の「ナチュラル」が組織する地球連合が対立している世界である。
交渉中に起こった爆破テロに対し、地球連合はザフトの仕業だとしてザフトに宣戦布告を行い、プラントの一つ、ユニウスセブンに核攻撃を行う。それに対しザフトも即座に反撃を開始、核分裂を停止し通信やレーダーを妨害するニュートロンジャマーを地球圏全域に敷設したため、核エネルギーが使えない地球では深刻なエネルギー不足が発生し、数億人の死者が発生し。双方の対立は決定的なものになる。

また、軍事力に関しては、地球連合が圧倒的に物量が豊富で当初は連合の勝利が当たり前と思われていたが、ザフトはMSを戦線に投入し戦線が拮抗し11ヶ月が過ぎた所から物語が始まる。

しかも、物語の始まりは、地球連合が作っていた新型モビルスーツの開発計画をザフトが察知し、仮面の男クルーゼが率いるザフト軍がコロニーに襲撃をかけて来るところから始まる。ほぼファーストガンダムのストーリに近い内容で始まる。

機動戦士ガンダムSEEDの評価（5段階)

画力・・・・・★★★★　　CGが入って綺麗だが使いまわしもある
ストーリ・・・★★★★★　競争主義社会と同時多発テロを反映したストーリ
設定・・・・・★★★★★　妙に現代社会を反映した設定が面白い
キャラ・・・・★★★★★　キャラ事に考え方が違うし動く
その他・・・・★★★★　　何故か連合軍の方が優秀なMSを開発・・・
総合・・・・・★★★★★　現実の北朝鮮問題などと同じ状況を反映している。

機動戦士ガンダムSEEDの感想

機動戦士ガンダムSEEDを見るとまず思うのが、懐かしいガンダムの世界、シャアじゃない仮面の男クルーゼが率いる軍が、連合の極秘MS開発計画を察知し機体の強奪をするため、コロニーに侵入してくるとこから始まる。コロニーのハッチを空けて侵入してくるシーンはガンダム作品ではお約束でもある。

そして、この作品で自分が見ていて思ったところは、妙に現実感を反映しているところです。「戦いは勝って終わらねば意味が無い」というザラ議長の発言やにも納得しますし。

連合も内部抗争という点ではジョシュア戦では用済みになったアークエンジェル隊は囮として使われ、基地の自爆装置によって、招き入れた敵軍とともに爆発に巻き込まれそうになります。ある意味大胆かつ合理的な作戦です。この作戦でザフトは投入部隊の8割を損失、連合は既に本部を移転しており、損失の規模から考えるとザフトの負けです。これはクルーゼが情報を漏らしていた事もあるのですが、それを利用してザフトの地上戦力を一掃、その後、極秘に生産していたMS部隊を投入し、一気に宇宙まで攻め上がるという連合の大戦略を見ると、コーディネータよりも頭が回っているのではないかと思います。

そして、この作品で面白い人のトップは、ムルター・アズラエルです。彼は自称ビジネス界の人ですが彼が一番やり手です。まず、非人道的なやり方ですが、強化人間を使用した部隊にカラミティ、フォビドゥン、レイダーなどの新型機を使用させ、オーブを壊滅に追い込んだり、主人公たちを追い込む事も多い。

また、フリーダムが核エネルギーで動いている事を見抜き、ニュートロンジャマーキャンセラーの設計図をあっという間に見抜きなおかつそれを量産体制をとらせる。そして、使える様になった核兵器を主戦力とした部隊を組織させ、ボアズ基地をあっという間に粉砕。

その時のコメント、「核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、強力な兵器なんですよ。兵器は使わなきゃ。高い金かけて作ったのは使うためでしょ？」「勝ち目のない戦いに「死んでこい」って部下を送る人より、僕の方がよっぽど優しいと思うけど？」は余りにも斬新です。ちなみにザフトと連合には条約が無いため核兵器は使用禁止でありません。しかも、ボアズは宇宙空間の軍事基地で民間人のいる施設ではないという事を考えると。使用しても良いのでは無いかと思います。

そして、アズラエルは第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦では、連合軍の主力がジェネシスの攻撃で吹き飛び指揮系統が混乱してる中、月の連合軍基地に増援要請を送り、救援部隊に回ろうとするドミニオンを攻撃に回させる。ある意味、軍の体制を一人で立て直しているのである。

加えてジェネシスが直接地球を攻撃できる兵器だとシュミレートし、ジェネシスに関しこうコメントしている。「あそこに、あんなモノ残しとくワケにはいかないんだよ。何がナチュラルどもの野蛮な核だ、あそこからでも、アレはゆうに地球を撃てる。　ヤツ等の、このとんでもない兵器の方が、遥かに野蛮じゃないか。そしてもう、いつその照準が地球に向けられるか解らないんだぞ。撃たれてからじゃ遅い、奴等にあんなモノ作る時間与えたのはお前たち軍なんだからな。無茶でもなんでも絶対に破壊してもらう。あれと、プラントを、地球が撃たれる前に。」と言って、命を犠牲にしてもジェネシスを破壊するよう強要する。(ある意味、北朝鮮の核問題・・・・)

ちなみに、オーブのエリカ・シモンズの計算によると、これがもし地球に放たれた場合、 強烈なエネルギー輻射と着弾時の衝撃、気象変動等の影響で地球上の全生物の80％を一掃できる という。

おまけに、パトリックザラは既にジェネシスの三射目を太平洋連合の首都ワシントンに向けて準備中、加えて発射シークエンスはヤキン・ドゥーエの自爆とも連動しており非常停止が出来ない様にしています。

まあ、アズラエルもジェネシスの破壊が無理だと分かると、民間人居住のプラントに核攻撃を加えようとしますが、相手は地球を滅ぼそうとしてますしねえ・・・・